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■ Summer Vacation (of Lapis lazuli) ■
照り返るような日差し。
最近では見られなくなった、白い砂浜。
そしてエメラルドのように美しい海。
眩いばかりの完成した海水浴場。
まさか血みどろのこの島に、このような穴場があろうとは。
そこに集うは屈強の冒険者達。
鎧の下に隠された、逞しい肢体。
衣服の中に包まれた、悩ましいライン。
この時ばかりは皆、重い鎧を脱ぎ様々な水着で砂浜を彩る。
激闘の中にある者達の、ささやかなバカンス。
熟練の者だからこそ、休めるときに心を休める。
ビバパラダイス!
『F19付近はビーバーさんのプライベートビーチなので近づいては駄目ですよー』
『カキ氷安いよー。今日だけ特売だよー』
響き渡る監視員の声。
ここぞとばかりに稼ぎに精を出すもの。
有志で作られた2日間だけの海の家。
そう、その時私は『それ』に遭遇するとは夢にも思っていなかった。
冒険とはかくも奇想天外なものなのか。
有志の力で作り上げられられた、仮初めのプライベートビーチ。
――そこに『それ』は現れた。
『それ』は全長2mはあろうか巨大なモニュメント。
全身マリンブルーの謎の物体。
金属のようにも見えるが、金属独特の光沢がない。
太陽光を反射することもなく、吸い込まれるような暗さ。
表面には藻のようなものが付着しており、
流線型のボディからは手のような物が生えている。
これは…人型…と言っていいのだろうか?
車輪で自走しているのか、砂浜に薄くワダチが出来ている。
いや、見た目の重量とワダチが明らかに合っていない。
浮遊しているのか?
何かの術式なのか、胸部に刻まれた紋様が不気味に輝いている。
見た事もない謎の術式。
明らかに異質な『それ』。
全身から違和感を発している。
いや、全身で違和感を主張しているようだ。
そして極めつけに、胸には[水着]と言う布貼りがしてある。
…。
…水着?
……。
………。
……水着なのかこれは?
「そう、水着」
私の呟きに帰ってきたのは、以外にも若い女性の声だった。
中に人が入っているのか…?
恐怖感より先に知的好奇心が優先する。
私はこの未知の生物(の中身)に対して、
果敢にもコミュニケーションを取ることにした。
――『それ』はいったい何ですか?
「正しくは深海探査用魔道服。
でも水の中で着るものだから水着」
…いや。
その論理は無理が…
「ここに書いてある。それに学校指定色」
…はい、わかりました。
もう水着でいいです。
でも、なんでワザワザこんなゴツいのを?
「有志の協力でビーチの掃討作戦は完了してる。
一時的には安全。でも近海の安全までは確保出来てない」
だから持ち出したと?
「ただの趣味」
ちょっ
「嘘。ちょっとした冗談と実用」
先生、この子どこまで冗談なのか読めません。
――『それ』の動く仕組みは?
「原動力は魔道機関と精霊機関の複合。
外気循環方式なので水中内で長時間の稼動が可能」
と言うか、そんなすごいものなら
普段もそいつで戦闘すれば良いんじゃ…
「無理。陸上では自走が限界」
つまり、鎧にしかならないと。
「それも無理。
水圧に耐える耐圧装甲は優秀。
だけど、対衝撃強度は素材強度に毛が生えた程度」
…。
そ、それってもし水中で戦闘になったら?
「…」
もーしもし?
「だから。とある軍では、水中探索は志願制だったと聞いてる」
さらりと怖い答えキター!
――『それ』は誰でも乗れる?
「乗ってみる?」
いや結構で…って、乗れるもんなんですか?
「誰でも乗れる。
使用術式は聖刻時代の練法術」
なんだか凄そうですね。
「古式複合魔術が使える人なら大丈夫。動かせる」
いや、知りませんソレ。
――と言うか、どこから持ってきたんですかソレ
「…。さあ?」
お母さん。この島には不思議が一杯です…
―――――――――――――――――――――――――――――
■イベント用カット

■なかみ

■没原稿

最近では見られなくなった、白い砂浜。
そしてエメラルドのように美しい海。
眩いばかりの完成した海水浴場。
まさか血みどろのこの島に、このような穴場があろうとは。
そこに集うは屈強の冒険者達。
鎧の下に隠された、逞しい肢体。
衣服の中に包まれた、悩ましいライン。
この時ばかりは皆、重い鎧を脱ぎ様々な水着で砂浜を彩る。
激闘の中にある者達の、ささやかなバカンス。
熟練の者だからこそ、休めるときに心を休める。
ビバパラダイス!
『F19付近はビーバーさんのプライベートビーチなので近づいては駄目ですよー』
『カキ氷安いよー。今日だけ特売だよー』
響き渡る監視員の声。
ここぞとばかりに稼ぎに精を出すもの。
有志で作られた2日間だけの海の家。
そう、その時私は『それ』に遭遇するとは夢にも思っていなかった。
冒険とはかくも奇想天外なものなのか。
有志の力で作り上げられられた、仮初めのプライベートビーチ。
――そこに『それ』は現れた。
『それ』は全長2mはあろうか巨大なモニュメント。
全身マリンブルーの謎の物体。
金属のようにも見えるが、金属独特の光沢がない。
太陽光を反射することもなく、吸い込まれるような暗さ。
表面には藻のようなものが付着しており、
流線型のボディからは手のような物が生えている。
これは…人型…と言っていいのだろうか?
車輪で自走しているのか、砂浜に薄くワダチが出来ている。
いや、見た目の重量とワダチが明らかに合っていない。
浮遊しているのか?
何かの術式なのか、胸部に刻まれた紋様が不気味に輝いている。
見た事もない謎の術式。
明らかに異質な『それ』。
全身から違和感を発している。
いや、全身で違和感を主張しているようだ。
そして極めつけに、胸には[水着]と言う布貼りがしてある。
…。
…水着?
……。
………。
……水着なのかこれは?
「そう、水着」
私の呟きに帰ってきたのは、以外にも若い女性の声だった。
中に人が入っているのか…?
恐怖感より先に知的好奇心が優先する。
私はこの未知の生物(の中身)に対して、
果敢にもコミュニケーションを取ることにした。
――『それ』はいったい何ですか?
「正しくは深海探査用魔道服。
でも水の中で着るものだから水着」
…いや。
その論理は無理が…
「ここに書いてある。それに学校指定色」
…はい、わかりました。
もう水着でいいです。
でも、なんでワザワザこんなゴツいのを?
「有志の協力でビーチの掃討作戦は完了してる。
一時的には安全。でも近海の安全までは確保出来てない」
だから持ち出したと?
「ただの趣味」
ちょっ
「嘘。ちょっとした冗談と実用」
先生、この子どこまで冗談なのか読めません。
――『それ』の動く仕組みは?
「原動力は魔道機関と精霊機関の複合。
外気循環方式なので水中内で長時間の稼動が可能」
と言うか、そんなすごいものなら
普段もそいつで戦闘すれば良いんじゃ…
「無理。陸上では自走が限界」
つまり、鎧にしかならないと。
「それも無理。
水圧に耐える耐圧装甲は優秀。
だけど、対衝撃強度は素材強度に毛が生えた程度」
…。
そ、それってもし水中で戦闘になったら?
「…」
もーしもし?
「だから。とある軍では、水中探索は志願制だったと聞いてる」
さらりと怖い答えキター!
――『それ』は誰でも乗れる?
「乗ってみる?」
いや結構で…って、乗れるもんなんですか?
「誰でも乗れる。
使用術式は聖刻時代の練法術」
なんだか凄そうですね。
「古式複合魔術が使える人なら大丈夫。動かせる」
いや、知りませんソレ。
――と言うか、どこから持ってきたんですかソレ
「…。さあ?」
お母さん。この島には不思議が一杯です…
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■イベント用カット

■なかみ

■没原稿

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