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少女は静かに本をめくる。
本が語るのは星の記憶。

静かで煌びやかで雄大な世界――

■ケンタウル祭

銀河鉄道沿線のケンタウル村で行われる銀河の祭り。

ケンタウル祭りの夜にカラスウリの灯りを川に流す。
いちいの葉の玉を飾り、ひのきの枝に火を灯したりする。

子供達は唄う。
「ケンタウルス露を降らせ!」



■ケンタウル祭りとは?

ではケンタウル祭りとはどのような祭りなのか。

川に灯りを流す行事といえば、灯篭流しや精霊流しを連想する。
これらの祭りは、死者の霊を弔って灯篭や供え物を川に流す。

お盆の送り火などは、祖霊の道標とされる。
川に流す灯りもまた、道標であると考えられる。

このような観点から、祖霊祭の一種であるという見方がある。


一方で豊穣の祭りと言う人も居る。
露を雨と捉えると、確かに降雨のまじないのようにも聞こえる。

この場合、カラスウリが神様への捧げものとなるのだろう。


では、神様の観点からみればどうか。
銀河鉄道の夜には多くの星座が登場する。

となれば、ケンタウル祭の神は射手座、
ギリシャ神話のケイロンが該当する。

ケイロンはケンタウロス族の賢者であり、知恵を象徴する。
音楽、医学、予言の他、狩猟にも長けている。

狩猟の面から見れば豊猟の祭り、学問の面から見ると
子供の健やかな成長を願う祭りとも取れる。
医学の面から見ると人の生死…つまり祖霊祭とも取れるかもしれない。



■ケンタウル祭のモチーフになった祭り

まず真っ先に思いつくのは七夕である。
七夕と言えば笹飾りであるが、願い事を書いた笹は
祭りの最後に川に流すのが本来の作法である。

また、前述した灯篭流しや精霊流し、お盆なども関わってくる。
特にお盆は、七夕と密接な関係がある。

さらに、西洋圏のお祭りの流れを汲むとも言われている。
聖ヨハネを祭る聖ヨハネ祭である。

ヨハネはある国の言語でジョヴァンニと表記される。
この名前であれば、繋がりが明確に分かるであろう。

聖ヨハネ祭(聖ジョヴァンニ祭)では、
市民は白い着物をまとい楽器を鳴らしながら行列する。

これは、ケンタウル祭で真新しいシャツを着ることに
繋がっていると考えられる。



■ケンタウル露を降らせ!

この露を何と捉えるかで、祭りの意味が大きく変わる。
素直に捉えるなら「星」であろう。

矢車菊と言う青い花があるが、
これの学術名が『Centaurea cyanus』という。
セントレウア、セントール、つまりケンタウロスを指している。

この花が持つ由来の一つに
「夜空にケンタウルの輝く季節に咲く夜露のように青い花」
と言うものがある。

「青」は生命の灯火の色。
露とは星であり命であるといえる。

そう考えると、なんと深い言葉であろうか。



少女は静かに本を閉じる。
それは泡沫の夢の記憶。

星々の奏でる物語――

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