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[ intermission for supper ]
「えーーーーーっ!!!?? いいのいいの!!?」
「今夜はご馳走です~☆ミ」
『You can regard no intention as doing such nothing a thing』
「すごい。ラズ、何があった?」
「おいおい、明日は嵐がくるんじゃねーか?」
「えーーーーーっ!!!?? いいのいいの!!?」
「今夜はご馳走です~☆ミ」
『You can regard no intention as doing such nothing a thing』
「すごい。ラズ、何があった?」
「おいおい、明日は嵐がくるんじゃねーか?」
たった一言で蜂の巣をつついたような大騒ぎである。
事の発端はラズの放った一言である。
甘く甘美な誘惑の一言。
そう、たった一言。
「今日はこの食材を使っていい」
その食材は質素な保存食にラクダの肉――主に肉類。
それだけでも普段の食生活が伺えよう。
偽島における代表的生活――
主に菜食…と言うか、美味しい草とパンくずだけの生活。
香辛料と薄っぺらい少量の肉で誤魔化すにしても限界はある。
実際彼女、アレキサンドライト・リスティスはよくやっている。
リズのおかげで、パーティ内の食生活は格段に改善された。
だが食いしん坊のリズにとって、
節約生活は忍耐と我慢の生活だったのだろう。
「…あとで怪しい薬と混ぜたりしない?」
「大丈夫。これは食べる用」
疑惑の目。
実際、何度もお肉が宝石にや枝に変わっている。
「ラクダの肉は、臭みが強いから仕込みは早い方がいい。
手伝いは必要?」
「ううん、大丈夫」
ラズが準備を促すと、
リズは素直に食材を抱えて調理の準備を始める。
リズの頭の上にはふれあ。微妙に眠そう。
でも寝たらご馳走が消える――誰かの胃袋の中に。
そんな葛藤中の模様。
残されたのはラズと猫のヌイグルミ。
「アルワンは行かないの?」
「お前ぇは何を企んでる?」
問いかけに問いで答える猫のヌイグルミ。
ラズと言う女は理詰めで動くタイプだ。
食事は栄養の補給の為とか言いかねない鋼鉄の女。
何の目的も無く晩餐会はしない筈。
裏がある――アルワンは追求を重ねる。
「大した事じゃない」
「OKOK。じゃあその大した事じゃない事を聞かせてくれ」
「この島の食料はマナを過分に含んでる」
「…あん?」
「明日はチョットした運動になるから」
「…なるほどな」
婉曲な言い回しを吟味するアルワン。
チョットした運動…おそらくは戦いになると言う意味。
それはつまり、この先に力の強い魔獣かなにかが
潜んでいることを意味する。
それならこの辺りの『歪み』も納得がいく。
乾燥地帯において、明らかに「水」に傾倒した地域。
アルワンがこの土地の守護をしていたなら、
土地に対するこのような暴挙は許さないだろう。
「ラズごめーん! やっぱり手伝ってぇ!!」
「今行く」
「ああああああ!! ふれあちゃん、お鍋によだれ垂らしちゃダメー!!」
「マイスター! ちみっこが鍋に落ちそうですぅ!」
「…もう行っていい?」
「…ああ、せめて喰える飯にしてきてくれ」
頭を抱えながら答えるアルワン。
緊張感に欠けるいつもの光景。
だがそれでいい。
それが彼女達の本質だから――
「こんにちは、初めてのひと。」
「こんにちは、初めてのひと。」
~ 本日のメニュー ~
[ラクダ肉のカツレツ・デミグラスソース煮込み]
■材料(4~5人分)
デミグラスソース(無ければ作る)
(スジ肉・端野菜・塩、胡椒、バターなど)
ラクダ肉 5枚
パン粉 2カップ程度
たまご 1個
砂糖、塩、胡椒 少々
チーズ 薄くスライスしたチーズ
小麦粉 1/2カップ
バター 大さじ1/2
すりトマト 1/4カップ(無くてもOK)
ワイン 1本
水 2カップ
■下準備
1)もし無ければ、事前にデミグラスソースを作ります。
A)鍋で、たまねぎ、ニンジン、ニンニク、
葉野菜の茎などをよく炒めます。
(野菜屑でOK)
B)フライパンでスジ肉を炒めます。
C)スジ肉が炒まったら、鍋に移します。
D)鍋に水をたっぷり入れ、強火に掛けます。
出てきたアクと油はこまめに取ります。
E)水分が飛び始めたら火を弱くします。
F)塩、胡椒、バターなどの香辛料で
味を調えながら更に煮込みます。
G)あとはひたすら煮込めば完成。
デミグラスソースを作るポイントはひたすら忍耐。
2)ラクダ肉は臭いが強いため、
事前に一晩ワインに漬け込みます。
■作り方
1)ワインから取り出した肉を薄くのばし、
塩・胡椒を降り強火で一度フランべします。
2)小麦粉、とき卵、パン粉を用意します。
3)お肉に小麦粉、たまご、パン粉の順に衣を付けます。
4)フライパンに油を入れ熱し、
両面を焼き色が付くまでよく焼きます。
5)デミグラスソースに、小麦粉、バター、水、
赤ワイン少量、すりトマト、砂糖、塩、胡椒を入れよく混ぜます。
6)よく混ざったら、包丁を入れたカツレツを
中に入れ、スライスチーズを乗せ、弱火で20分
蓋をして煮込みます。
7)器に盛り付ければ完成。
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